マレーシアの地図をイラストでみる : 飛行機が曲がって飛んで行くのは?
2016/07/19
こんにちは、きょうは
マレーシアの地図のイラストマップについて
お話します。
旅といえば地図です。
地図は正確なのが好きで
国土地理院の地形図や
グーグルマップをよく使います。
最近は、
スマホで検索して
グーグルマップを
使う方も多いでしょうね。
ハイキングのイラストマップなんかだと
楽しさを追求するあまり
正確性を犠牲にしている例もありますので、
注意が必要です。
ネット上にあるイラストマップを
きょうは、いくつか
紹介します。
あわせて、
昔、学校で習った地図の
話もしてみます。
目次
マレーシアの地図
まず、マレーシアは東南アジアの国で
ASEAN(東南諸国連合)の一員です。
黄色がマレーシアです。
マレー半島とボルネオ島とからなり、
それぞれ西マレーシアと東マレーシアと
よぶこともあります。
マレー半島には11州と
クアラルンプール、プトラジャヤという連邦直轄領がふたつ、
ボルネオ島にはサバ州とサラワク州と
ラブアンという連邦直轄領がひとつあります。
主要都市はこちらにあります。
ただ、この地図はマレー半島とボルネオ島とが
編集の都合上、近すぎるので
注意が必要です。
ボルネオの地図
こちらは
ボルネオだけの地図で
ボルネオ島のサバ州とサラワク州が
マレーシアで残りの大部分(面積で4分の3)は
インドネシアです。
連邦直轄領のラブワンも
ボルネオにある島です。
あとサラワク州のなかに、
別の国で
ブルネイ王国があり、
首都はバンダルスリブガワンといい
石油の産出で非常に豊かな国です。
ただ、インドネシアではボルネオのことを
カリマンタンと呼んでいます。
この地図ではラブアンは無視されています。
各観光地の簡単イラストマップ
マレーシア政府観光局のサイトでは
各観光地の簡単なイラストマップが
載っています。
ほとんど文字だけの地図で
イラストマップとはいえない
かもしれませんが
全体像を頭にいれるには
便利です。
コタキナバル空港で入手した地図
こちらは、
私が現地コタキナバルで入手した地図で、
まわりには広告がいっぱいあります。
地図には、空港、キナバル山、ダイビングスポット、
オランウータン、テングザル、サイチョウ、
ラフレシアなどイラスト入りで載っており、
見たい動植物によって
行きたいところを決めるには
便利な地図です。
旅行先では、空港、ホテル、
観光案内所、ショッピングセンターなどで
さまざまなイラストマップを手にすることと
思います。
ぜひ、あなたも現地に行ってみて
楽しい地図を手にしてみてくださいね。
さて、
ここからちょっと話は変わります。
いろいろ検索してたら
面白いサイトを見つけました。
飛行機の経路と地図上の直線は違う
日本からマレーシアに飛ぶと
こんな感じです。
緑の線は地図の上では直線ですが、
地球は丸いので、紫の線にそって
飛行機が飛んだほうが直線を飛ぶことになります。
これを大圏航路といいます。
緑のほうは等角航路といいます。
日本ーマレーシアでは5300キロメートル程度なので
緑と紫の差はそれほどありません。
ところが6142キロメートルの
ハワイでは、
こんなに違います。
アメリカサンフランシスコだと8214キロメートルで
こうなります。
パリでは9754キロメートルで
こうです。
地球の裏側、ブラジルのサンパウロには
18,517キロメートルで
こんな図になります。
昔は、日本からサンパウロ行きの直行便が
あったようですが、
今はない、みたいで、
ホントにこの線にそって飛行機が飛ぶことは
なさそうです。
南半球ついでに
オーストラリアシドニーは7837キロメートルで
こんな図になり、ほぼ真南なので、
緑と紫の線がほぼ重なります。
昔、習ったメルカトル図法を自分のことばで説明すると
これは、昔、地理の授業で習ったことで
当時は何言ってるのかよくわらなかったのですが、
最近(といってもここ数年ですが)になってやっと
わかってきたことです。
こういうことを腑に落ちるというようですね。
実感のないことを
用語を覚えるだけでは
「わかった」とはいえません。
これはグーグルマップがメルカトル図法で描かれているため
起こることです。
メルカトルが考えた地図で、
円筒投影による図法の一種です。
角度が正しく表されるので、
図上の2点を結ぶ直線は等角航路となり、
羅針盤による航海には便利です。地球は三次元ですが、
これを地図におとしたときには二次元のものに
表示しなおさなくてはなりません。
平面に描き直すときには
必ず歪みが生じてしまい、
面積・角度・距離を同時に
全て正しく表示することはできません。
これでは難しすぎるので
正確さには欠けるかもしれませんが、
私の言葉でいってみましょう。
すいかを新聞紙で包むとき、
いっさいしわが出ないようにするのは、
無理ですね。
逆に、すいかをくし形切りにして食べた後
平らなところに
皮を並べてみても
必ずデコボコになります。
とくに蔓のところ(地球では北極)と
お尻(南極)のところは散り散りになりますよね。
それを強引に1枚の紙に表現したのが
メルカトル図法です。
あるいは、こんな説明は
いかがでしょう。
薄いゴムで地球儀をしわなく包んだとします。
それをある経度線に沿って切り開いて、
四角い紙のように広げます。
北極や南極など緯度が高い地方ほど
ゴムをたくさん伸ばす必要が出てきますね。
それがメルカトル図法です。
メルカトル図法のクセ
メルカトル図法の地図では、
緯度の高い地方は
赤道付近の地方に比べて
ゴムを延ばしたように
面積が実際より大きく表現されてしまいます。
だから、メルカトル図法の地図の直線は
地球儀の直線(球にそっているので正しくは曲線)
と一致しない。
日本ーシドニーのような
経線に平行な場合は一致する。
地球儀に糸を垂らして
2都市を結べば紫線の
大圏航路が表現できそうです。
自分では、
イラストマップは不正確で
グーグルマップや
国土地理院の地形図が正確だから好きと
思っていましたが
グーグルマップも国土地理院の地形図も
メルカトル図法の地図なので
地球規模の話をするときは
地球儀がやはり一番正確ですね。
こちらのサイトで
異なる2点の位置を
いろいろ変えて
調べることができます。
Googleマップで大圏航路を表示する
http://user.numazu-ct.ac.jp/~tsato/webmap/sphere/great-circle/
まとめ
全体を把握するには
簡単なイラストマップがわかりやすい。
マレーシアはマレー半島と
ボルネオ島からなる。
マレー半島11州とボルネオ島2州、
連邦直轄領が3つ(半島2、ボルネオ1)ある。
グーグルの地図はメルカトル図法なので
地球規模では
2点間の直線は
飛行機の経路とは違うことが多い。
地球規模で正確な平面地図は
存在しない。
最後までお読みいただきありがとうございました。